ここ数年、徐々に力をつけつつある男子バスケットボール部。能力の高い選手が集まる名門校でもなく、スーパースターも不在である。しかし、だからこそ日々の練習の積み重ね、それによって培われるチームワークが生命線となる。高体連が終了し、新チームとなってから間もないが、この夏、ひたすらボールを追い、汗を流すバスケット部を体育館に訪ねた。
定期試験前や期間中を除けば、平日はほぼ朝練を続けている。放課後の体育館は、他のクラブとの共用なので、不足がちとなるオールコートの練習を補うためだ。それに加えて、まとまった練習時間が取れる夏休みは、新チームとしてのプレースタイルを考え、ハードな動きを支える足腰と心のスタミナを鍛えることを課題としている。練習中はとにかく大きな声を出す。自分を奮い立たせるとともに、他の部員との意思疎通を図り、チームの一体感を保つために効果的だからだ。
部長の佐々木君は、「経験者はいるものの、すごくうまい選手がいる訳ではないから、攻守ともに足を使って、みんなが一つになり、チームとして進化することが必要」と話す。新チームのプレースタイルは、一朝一夕に備わるものではない。今後、練習や実戦経験を経て徐々に形づくられていくことになるが、部顧問の関原大治教諭は、「体と気持ちの強さを前面に押し出したディフェンスと、緩急をつけたオフェンス。トレーニングで培っていく」と話す。
12名の部員が一丸となって、9月の選抜大会、そして10月の新人戦に挑む。この夏に流した汗が一つでも多くの勝利につながることを念じている。