小島里美作曲、「沖縄幻影」。夏休み返上で、札幌コンサートホール(キタラ)で行われる全日本吹奏楽コンクール札幌地区大会に向けての練習に励む本校吹奏楽部の演奏曲である。沖縄民謡の中でよく知られている「てぃんさぐの花」「谷茶前」「阿里屋ユンタ」の3曲を土台に作られた曲で、演奏時間5分30秒と短いながら沖縄の風景が凝縮されている。
毎朝の定番、校舎にはロングトーンが流れる。部員が奏でる伸びやかで美しい音は、30分から1時間かけるロングトーンなどの基礎練習があってこそ生まれる。個人練習、パート練習を経て、いよいよ合奏。コンクールを意識しつつ本番さながらの真剣さで取り組むが、しかし、時には部顧問の日下広明教諭からの厳しい言葉が飛ぶこともある。集中が途切れないよう、完成度を高めていく練習が続く。部活の最後に開くミーティングでは一人一人が反省や感想を述べる。練習がうまくいかないときには全部員で対策を話し合う。
部長の伊藤さん(3年)は「優しいサウンド。これが静修の音であり、めざす伝統の音です。それには一人ひとりが気を抜かず、心を一つにすること。楽器をきちんと手入れをすることも含めて…」と話す。
ここ数年は部員数が少なく、音に厚みを出しにくく、またレパートリーが限られるなどの悩みがあったという。今春、10名の新入部員を迎えて、一気に悩み解消とはいかないまでも、希望が湧いてきた。交流演奏会(9月26日~29日)や第22回定期演奏会(10月24日)で、高らかに静修サウンドを響かせてほしい。