夏季大会は惜しくも札幌支部大会3回戦敗退となったが、昨年の秋季大会、本年の春季大会(全道ベスト8)と2季連続で全道大会出場を果たし、結果を残しつつある静修野球部。しかし、それにおごることなく、さらなる飛躍を目指し今年も夏休みを利用しての長期合宿を行った。札幌から車で約3時間、合宿地である日本海に面した羽幌町を訪ねた。
よく手入れされた野球場2面、サッカー場1面を擁する羽幌町スポーツ公園。滝上、女満別でそれぞれ練習試合(苫小牧中央・網走桂陽・女満別の各校野球部の皆さん、ありがとうございました)を行った後、羽幌に入ったのが7月28日。8月3日まで「1球1球を大事にし、常に全力でプレーする」をテーマに、地元の羽幌高校、天塩高校との合同練習を積み重ねる。練習メニューは、キャッチボール、シートノック、守備練習、ゲーム形式のバッティングといった基本的なものばかりであるが、ゲーム形式の中での守備やシフトのミスには、容赦なく「しっかりしろー。何回注意したら分かるんだ!」と監督である木無真人教諭の叱咤激励の声がグラウンドに響きわたる。しかし、監督は具体的な指示をあえてしない。注意された部員たちは、何がダメなのかを考え、判断する習慣がつかなければ、次のプレーに生かしていくことができないからだ。
感謝の気持ちを込めて部員全員でグランド整地、そして練習の最後は十分に時間をかけてのクールダウン。けがの予防だけではなく、次の日も最良な体の状態で練習に臨むために大切にしている。
合宿を締めくくるのが静修高校を含む5校が参加するオロロンリーグ高校野球交流戦。これを終えて、いよいよ帰札となる。
木無監督が目指しているのは、「野球を通して大学や社会に出た時に通用する人間を育てる。野球ができる喜びを感じ、感謝の気持ちを持つ。練習を通して、柔らかくて強い心と体をつくる」。それらに一歩一歩近づくための夏合宿。部員たちには、辛くて厳しい時間を共有し、それを乗り越えた先に見えてくるものがあるに違いない。